2019年10月の日記
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●2019年10月25日(金)
実家近くに40年近く通っている散髪屋さんがある。
今年の夏の終わりごろ散髪屋さんの奥さんがお亡くなりになられた。
多分、まだ60歳代だと思う。
娘の散髪はその奥さんにお願いしていた。
高校3年生なのに散髪屋さんに通う娘はこれを機に美容室へ行くらしい。
僕は今までどおり通おうと思っていた。
が、マスター独りだと無理が出る。とある水曜日の午前9時ごろに行くとお客の待ちが3人。
今までだと1時間半ほど待てば良かった。
しかし散髪屋のマスターが僕の顔を見て、すまなさそうに
「すみません。午前中はお待ちの3人で終わりです。」と。
「わかりました。」と僕。その日はお休みなので時間に余裕はある。
なので実家で時間を潰し、午後1時になってからもう一度伺う。
店へ着くと昼休み休憩の看板が掛けられており、
午後2時からだと書いてあった。さすがにあと1時間も待てない。
僕は諦めて帰ることにした。

散髪屋さんも40年通うと座るだけでOK、いつもの髪型は
何も言わずに刈られ始める。とても楽だ。
長年通うとなんだか義理のようなものも生まれる。
でも伸びた髪も我慢できない。仕事の都合で次に訪れることが出来るのは1週間後。
あと1週間も待てない。それに実家近くなので
車でわざわざ行かなければならない。僕は違う散髪屋さんに行く決心をした。

その日の午後、何気なく近くのショッピングモールを嫁と歩いているとクイックカットの
看板を見つける。10分でカット。ただし髭剃り、洗髪はなし。うーんどうしようかな?
と迷いながら値段を見ると1200円。なんだ〜!いつもの3分の1じゃないか!
髭剃りも洗髪も家で出来る。僕はここで散髪することにした。
入店すると僕より少し年上そうな男性と若い女性の2人が出迎えてくれる。
自動販売機でチケットを買い、座る。男性が僕の担当らしい。
「どれくらいの長さにしますか?」と聞かれて答えに困る。なにせここ20年は
髪型に注文をつけたことがない。座るだけ。
やはりそうはゆかないな、と思い直し、「短く刈って下さい。」と僕。
「横をバリカンで五分刈りにしてもいいですか?」五分刈り?五分刈りってどれぐらい?
横が長いのも嫌だが、つるつるもなんだか抵抗がある。
「えーっと、少し残す程度でお願いします。」
こんなやり取りを数回して本当に10分で終わった。完全に納得出来るものでは
なかったが、破格の安さだからと自分を納得させた。
最後の仕上げに掃除機のようなもので残り毛を吸われる。ゴミになったような気分だった。

服に入った毛がチクチクするのを我慢して家に帰り、シャワーを浴びた。
いつもはとても丁寧な洗髪をしてもらえるので、同じくらい自分で丁寧に洗った。
髪を乾かして鏡を見ると刈り取られていない毛がいくつかビヨーンとあった。
所詮は1,200円かとため息をつく。

やはり少し余裕をもっていつもの散髪へ次回は行くべきかと思っていたら
嫁がチラシで1,800円の散髪屋を見つけた。そこは髭剃り、洗髪も込みで1,800円である。
いつもの半額。もう一度、違う散髪屋さんへ行ってみようと思った。

今週は『ジョン・ウィック:パラベラム』。
キアヌ・リーヴス主演ジョン・ウィックシリーズ第3弾。
凄腕の殺し屋が奥さんの死をきっかけに切れやすくなり、皆殺しにしてゆく映画。
1作目は犬を殺されたから。2作目は車を壊されたから。
その理由で恐ろしいほどの人間が殺されてゆく。

今回は2作目で殺してはいけないホテルで人を殺してしまったため、殺し屋組織に
賞金首となって狙われる話。
今回も100人以上殺す。いろんな殺し方で。そのバリエーションも多彩だ。まるで
ゲームのように場面が変わり、剣や銃や馬(馬の後ろ足で蹴り殺す。)を使い
狙ってくる殺し屋を始末する。もうなんだか現実離れしすぎて面白くなってきた。

それにキアヌは走るとカッコ悪い。大男だからか、ドテドテ走る。
アクションもマーク・ダカスコスのようにシャープじゃない。
だから最初はけっこうボコボコにされたり、撃たれたり、刺されたりする。
でもジョン・ウィックは伝説の殺し屋。途中から形勢逆転、相手をどんどん攻めて
殺してゆく。

あまりこの手の映画は得意じゃない人も多いと思う。
ただもう一度言うが現実離れしているので、キアヌのアクションを笑いながら観れば
かなり楽しい。ストレス発散にはもってこいの映画だった。

砂漠のシーンをカットしてくれれば、僕の中では高得点の映画でした。
最近、イライラが取れない人は是非観に行って下さい。笑えてきます。

以上、店長でした。

●2019年10月05日(土)
28歳の時のある日、当時勤めていた高校の校長から急に呼び出しを受けた。
また何かやっちまったかな?と恐る恐る校長室に入ると、
校長は「明石にある看護学校の国語教師に欠員が出たので行きなさい。」と。
僕はその時、2校で国語を担当しており、殺人的な授業数だった。
「すみません。無理です。」と断ると、校長は「いや、君は若いから大丈夫だ。」
と勝手な理由で決めてしまった。まぁ、校長に恩を売るのも良いかと
引き受けたが、そのためその年は週に30時間の授業をこなすことになってしまった。

看護学校の前任の先生は京都大学の教授だった。
「いや〜、そんな立派な人の後釜なんて務まりませんよ。」と言う僕に
「先生の思うとおりに授業をしてもらって結構です。」と一番偉い
先生が言うので好きにさせてもらった。

あれから28年。
阪神淡路大震災があり、可愛がってもらっていた理事長と校長が亡くなり、
高校の教師もそろそろ潮時かなと考え、今の事業を始めたのだが、
何故か看護学校の授業だけは続けていた。

最初の授業で受けようと思い、(受けようと思うな!)
「いや〜、看護学校と聞いていたので、皆さんがナースウェアを着て
いるのだと思い少し期待していたのに、普通の制服で少しがっかりしました。」と
言うと、受けるどころか「えー....!」と明らかに嫌悪の表情をされてしまった。
最初にして大失敗である。

それでも授業はとても楽しかった。
毎年、5か月だけだが、僕は先生と呼ばれていた。
その学校は来年の50周年で閉校することが決定している。
1年生しか授業がないので、今週で僕の授業は終了した。
これをもって僕の教師生活が終了した。本当は24年前に教師を
終了していた僕が、この年齢まで続けることが出来たことに感謝している。
(誰に感謝している?)
今からは映画グッズ屋のおっさんとしてさらに頑張ります。
皆様、シネマインク.を何卒、よろしくお願い申し上げます。

今週は『ジョーカー』。
バットマンの宿敵、ジョーカーがどのようにして悪の権化に
なるかを描いている。

バットマンの悪役はペンギンにしてもそうだが、
とても悲しい生い立ちである。不幸だから悪役になる理論は
成り立たないが、世間を恨んでしまう気持ちもわからなくもない。

ジョーカーを生んだ背景は貧困である。富裕層にしいたげられた
人たちが暴動のカリスマをジョーカーに求めた。
それをジョーカーが求めたわけではない。でもジョーカーの恨みは
民衆に受け入れられ、彼を崇拝し始める。

ジョーカーはマーベルに出てくるキャラクターのように
特殊能力を持たない。特殊な秘密兵器も持っていない。
ただの人間だ。彼の武器は狂気である。それだけが武器の彼が
バットマン最大の敵である。そう思えば狂気ほど怖いものはない。

人を初めて撃ち殺した時に罪悪感ではなく、高揚感を覚えるジョーカー。
狂気の始まりに観ている人たちは寒気を感じるだろう。

主演のホアキン・フェニックスはリヴァー・フェニックスの弟だ。
兄のリヴァーが若くして亡くなりカリスマになってしまったため、
ホアキンは常にリヴァーの弟というレッテルを貼られていた。
そんな彼が本作でいよいよ映画ファンのカリスマになる時がきたのだ。

さぁ、『ジョーカー』を観て、彼の悲しさと狂気を感じ、カリスマ
であることを実感せよ。
ぜひ観てください。共感はできないが、納得はできるよ。

以上、店長でした。


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