2018年03月の日記
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●2018年03月16日(金)
3月と言えば「いかなご」である。
いかなご、知ってます?漢字で書くと玉筋魚と書く。
少しエッチなあて字である。関東方面では「こうなご」と言うらしい。
神戸から明石にかけて3月と言えば
いかなごの季節と言っても過言ではないほど街中でいかなごフィーバーが起こる。
まず小さないかなごの漁が解禁されると市場の魚屋さんにはお年寄りの行列が出来る。
みんな数キログラム単位で購入し、それを家で醤油、みりん、砂糖、生姜などで炊く。
この料理を「いかなごの釘煮」と言う。いかなごの釘煮を作る時期はいたるところで
炊いている臭いがする。この臭いを嗅ぐと「あー、春だね。」とみんな季節を感じるのである。

それぞれの家でいかなごの釘煮を作り、作っては知り合いにあげる。どちらかと言えば自宅用
ではなくプレゼント用だ。神戸近郊ではいかなごの釘煮プレゼントが頻繁に行われ、
地方に住む家族、親類には発送される。
だから神戸の郵便局ではいかなご発送用のタッパー付きレターパックが発売される。

独自の調理法があるので家ごとに味が違う。好みの味のいかなごをもらうと、
みんな大喜び、好みでなくても大きなハズレはないのでそれなりに喜ぶ。
その日から毎日、食卓にはいかなごが並び、お弁当にも必ず入っている。
場合によってはパンにはさむ人もいる。(明石ではいかなごパンを売っているらしい。)

と、ここまで書いたがこの文のポイントは購入するお年寄りである。
お年寄りが9割近く作るいかなごの釘煮...我が家に届くはずのいかなご、今年はゼロだった。
毎年、数件のいかなごが母経由で届く。が、今年は誰からも届かない。
理由はあきらかだ。作っていただけるお年寄りが作れなくなったから。
(今年は超不漁だったのも理由か?)

毎年、かかさず食べていたいかなごを今年は一度も食べていない。
お店でも販売はしているのだが、意外と高額だし、なんだか貰うものを
買うと言うことに抵抗がある。今まで貰っていたことを当たり前に
思っていること自体が厚かましいのだが。

あー誰かくれないかな、と言っているうちにいかなごの季節も終わろうとしている。
今年はもう無理かな?
この間、店で常連のNさんとスタッフのKさんと話していたら、二人は
いかなごの釜揚げを食べるらしい。これは明石方面の人には常識らしい。
少し食べてみたいと思ったが、やはり釘煮がいいなぁ。

今週は『シェイプ・オブ・ウォーター』。
ギレルモ・デル・トロ監督の作品的には『パシフィック・リム』系ではなく、
『パンズ・ラビリンス』系の話。

発話障害の女性と半魚人との恋愛映画をギレルモ・デル・トロが作ると
ひと味違っていた。
日本の怪獣が大好きな監督は半魚人をCGで作るず、
着ぐるみを主体で作ったらしい。クリーチャーの中にはやっぱ人間が入っていない
とな、と思ったには僕だけではないはず。

差別意識の強かった1960年代のアメリカが描かれており、半魚人に対するもの
以外に黒人差別、同性愛差別も描かれている。
ちょっと艶めかしいシーンもあるため「R15+」指定なのだろうが、そんなものを
越える美しい恋愛映画だと思える1本だった。
ひとつ不満があると言えば、思った通りの内容の進み方でラストに意外性はなかったかな。
(いくつかのエピソードには「へぇ〜。」と意外性はあったのだが。)

あと、マイケル・シャノンは相変わらず悪人面で良い味を出していた。
アカデミーの監督賞、作品賞を獲得しただけはあるおすすめ映画です。
ぜひ観てください。

以上、店長でした。


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