2017年10月の日記
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●2017年10月29日(日)
この一ヶ月は母の病院通いである。
長年、師匠、先生と呼ばれていた母は頑固である。
こうしろと言っても、自分の意に沿わないことは行わない。
僕はきつく言うのだが、嫁はそうもいかない。
わがままな母の態度を見て、嫁に少し申し訳なく思う。

手術は無事成功したのだが少しおしっこの出が悪いらしい。
これも手術の影響なのか、おしっこを出すために導尿(自分で管を使っておしっこを出す)を
しなければならないことが屈辱であるらしく、「もう死にたい。」とみんなに
言いまわる。孫である娘の名取試験のことや待っているお弟子さんのことを
言って励まし、なだめる毎日である。

手術が成功したので退院しなければならなくなった。
神戸大学付属病院は病気やケガを治す病院なので、歩けるようになるための
リハビリは充分行えないらしい。医療ソーシャルワーカーのKさんに相談に
のってもらう。大学を卒業して間もない女の子は娘のようだ。
リハビリの病院はなかなか見つからず、やっとひとつ見つかったので、
その病院へ家内と見学、面接に行くことになった。

病院での説明を聞き、病室やリハビリ室を案内してもらう。
ちょうど夕食時だったのだが、少し、いや、かなりショックを受けた。
生気のないお年寄り達が喋らず、無言で食事をとっていたのだ。
大きな部屋で30人ほどが食べる姿はとても空しく映った。
それ以降のことはあまり覚えていない。
家内は帰りの車の中で、「あんな所にアーちゃん(母のこと)を入れたくない。」
とぼそりと言った。僕も同意見だった。

思えば若い人は自宅で治すからリハビリ専用の病院になんか行かない。
また、若い人はお年寄りと同じ病室でリハビリをして治したいと思わない。
たまに入院して来るらしいが、雰囲気を見てすぐに退院してしまう。
結果、70歳を超えたお年寄りばかりが集まり、身体の不自由な方たちの老人ホーム
状態になるのだ。少しきつい言い方になっていることは謝る。
でもこれは僕の率直な意見である。なんだか母がかわいそうになってきた。
77歳まで一度の大病もせず、16歳から日本舞踊のお師匠さんとしてバリバリ働き、
活発に速足で動いていた母は病室のベッドでテレビも観ず、ボーとしている。

だからこそ早く歩けようになり、元の母に戻ってもらうには、
リハビリ専門の病院へ転院しなければならない。でもそこが生気のない場所ならば
入院させたくない。矛盾していることも分っている。そんな場所に入院している人は
どうなんだと非難されるかもしれない。でも、
何と言われようが僕は自分の母だけのことに限定して考える。

良いと思われた病院には断られた。まだリハビリ専門病院は決まっていない。
あと一週間以内には転院しなければならない。
そんなことを考えると夜中に目が覚めて眠れなくなる。
そんな時は一番つらいのは母だと考える。僕がしっかりしなければ。

2日前、母が病院内の美容室に行きたいと言った。
見れば眉毛は無造作に太くなり、髭までうっすら生えている。
到底、お師匠さんと思えない風貌だった。
僕はすぐに電話をし、その日の美容室の予約を取った。
午後からは仕事だったので、看護師さんに連れて行ってもらいたいと
お願いし、僕は病院を出た。その次に会った母はすっきりした顔になっていた。
次の病院では散髪はできないだろうから、退院の前日は白髪染めと顔そりを
させてやろうと思う。

母は僕に言われた歩行器で病室廊下廻り(1周150メートルほど)一日3周以上を
守って自主リハビリを行っている。こけないか心配だが、心を鬼にして
がんばらせている。家に帰っている母を早く見たいから。

今週は『ブレードランナー 2049』。
前作、『ブレードランナー』上映から35年、まさか続編が出来ようとは。
僕はサイバーパンク映画が大好きだ。『ブレードランナー』は僕の生涯ベスト20に
入る作品のでもある。この作品を観て、レプリカント役、ルトガー・ハウアーのファンに
なった。彼は今、レプリカントのような精悍さはかけらもないが。
それでもファンだったころは片っ端から彼の作品を観た。『聖なる酔っぱらいの伝説』なんて
ゆうとても地味な作品も観た。原作本まで読んだ。
デッカードブラスターはとてもほしいし、スピナーにはずっと乗りたいと思っている。

そんな僕が観に行くことを遅らせることが出来るはずがない。
母の病院通いを家内と一日交代にしているので、空いている日を調整し、
初日に観に行った。何故ならば劇場限定販売の留之助ブラスターナノキーホルダーを
購入したかったから。即完売商品とネットでみんなが言っているので、初日一番に行った。
無事購入出来たのだが、めっちゃ小さい。ま、キーホルダーだからしかたがない。
それにしては1個3480円(税込)は高い。ブラスター写真集はなかなかだったけどね。
ちなみ映画が終わって、売店を観たらまだ売っていた。一番に買ったのに
少しショックだった。

さて観た感想だが、全体的に静かだ。3時間弱の上映時間でアクションシーンは
20分もない。あとは静かに話が進んでゆく。思えば『ブレードランナー』もそうだった。
ド派手なシーンより謎解きの静かな部分が多かった。
僕はこの映画に流れる雰囲気が嫌いではない。独特の世界観は大好きだ。
そんな僕でさえも何度か眠くなった。
コアなファンは素晴らしいと思うかもしれない。映画の出来も良いと思う。
ただ、あまり馴染みのない人が見るとしんどくなるかもしれない。
アメリカでは『ブレードランナー2049』はあまりヒットしなかったらしい。
40歳以上の男性しか観に行かなかったからだ。
つまりは哲学的すぎて一般受けはしない映画なのである。まぁ、『グラン・ブルー』のように
独特の世界が好きな人にはカルトな人気映画の一本になる可能はあるけどね。


主演のライアン・ゴズリングを初めてカッコイイ!と思ったし、
アナ・デ・アルマスはとてもかわいい。
ハリソン・フォードの髪の毛がずっとぐちゃぐちゃなのは気になったが、
それも演出なのだろう。
ラスト、K とラヴの対決は、デッカードとバッティーほどでは
なかったが見応えはある。
前作を観なくても話はわかるが、観たほうがよりわかりやすいので、
是非、前作も観てください。

以上、店長でした。

●2017年10月13日(金)
母が入院した。
77歳で初めての入院である。77歳まで健康過ぎるほど
健康な母が入院するなんて思ってもみなかった。

最初はヘルペスだった。帯状発疹が出て痛いと言う。
皮膚科に連れて行くと1ヶ月ほどは治らないと言われた。
それは仕方がないことなので、我慢しろと母を促した。

でも日ごとに悪くなる。午前3時、家で寝ていると携帯が鳴る。
母からだった。痛すぎるので救急病院へ連れて行ってほしいとのこと。
嫁と二人、車で10分の実家へ迎えに行き、119番で救急病院を訪ね、
そんなことも知らず、ひとりぐっすり寝ている娘のことも気がかりなので
嫁を家に送り、僕と母だけで救急病院へ。
さんざん待ったが、たいした治療もしてくれず、10分ほどで帰される。
痛みはさらに増すようなので、かかりつけの病院に紹介状を書いてもらい、
別の大きな病院へ行く。痛みはそこでも改善されず、
さらに大きな神戸大学付属病院へ紹介状を書いてもらい、次の日に行くことにする。
今度はブロック注射をして痛みを和らげるらしい。

大学病院へ行く日の朝、6時。また母からの電話。
とうとう動けなくなり、漏らしてしまったとのこと。
再び急いで実家に行くと日本舞踊の師匠とは思えない格好でのたうち回っていた。
2階から降ろすことが出来ず、救急車を呼ぶ。
救急隊員が3人、痛がる母を担いで玄関まで連れ出した。
嫁が救急車に付き添いで乗り、僕は車で後を追うことにする。
幸い今日行く予定だった神戸大学付属病院へ連れて行ってもらったと
嫁が連絡してきたので大学病院へ車で向った。
僕が到着すると麻酔科でブロック注射をしてもらっていることろだった。
これで痛みは和らぐかと思いきや、痛みはまったく治まらない。
モルヒネまで打ってもらったらしいが、それでも痛がっている。

これはヘルペスではないと言うことになり、MRI(核磁気共鳴画像法)で調べて
もらったところ仙骨骨折だった。仙骨とは背骨の一番下、尾骨の上あたり。
そこにひびが入り、さらに炎症を起こしていると。
その場ですぐに入院することになった。ヘルペス発症から2週間後のことである。

でも、いったい何時、骨折したのだろう。予測としてはヘルペスが痛くて
ベッドから落ちた時か、痛いので階段をお尻をつけながら降りた時か、
いずれにしろ2週間の間に骨折したのだ。
担当は整形外科に移行した。担当医いわく、そのままでも治る。治るが
1か月から2か月かかる。手術をすれば2、3日で歩けるようになると言う。
こんな寝たきりの年寄りが本当にそんな期間で歩けるのか?
かなり疑ってはいたが、このまま1か月以上ベッドにいるのは嫌だと母が言うので
手術をしてもらうことになった。一番心配していたのは、77歳の高齢者に
対する手術のリスクである。再び担当医いわく、77歳は若いほうで、
今は85歳以上が高齢者と言うらしい。僕にとって77歳はりっぱな高齢者だと
思うが、医学界では若いほうなのか。

手術は1週間後になった。もっと早くしてほしかったのだが、手術室の予約や
担当医の都合ではしかたがない。
かくて今週の木曜日、母は腰の手術をした。時間は3時間ほどの予定。
嫁や義父の手術が10時間を超えていたので、さほど難しい手術ではないのだろう。
当日の母はうつになり、手術までぶつぶつぼやいていた。
手術が怖いのだろうが、喉が渇いて死にそうだとか、こんな思いをするぐらいなら
もう死にたいなど小学生以下の往生際の悪さである。
後で知ったのだが、母は救急入院だったので整形外科の病棟ではなく、
ガン病棟に臨時でいたらしい。母よりも重病の人を前によくも死にたいなどと
言えたものだ、と怒っていたが、ま、辛いのはわかるので目をつぶることにした。

手術中は家族控え室に待機していなければならないのかと思いきや、終わりましたら
携帯に連絡しますので、病院近くにいてもらえれば良いですと。
あー、そう、それじゃあ。と病院内のドトールでお茶を飲みながら待つことにする。
術後もICU(集中治療室)ではなく新しい病床に帰って来るらしい。
やはり難しい手術ではないのか?手術は仙骨の両端に杭を打ち、両端を
Hの形になるようもう1本、固定棒を入れる。聞けばすごい手術なのだが、これでも
大したことはないのか・・・。

手術は3時間を20分ほど超えたが無事終了。手術前の麻酔医の説明では、
全身麻酔なので呼吸を助ける管を入れる。その場合、術後、声帯が腫れて
2、3日喋ることが出来ないかもしれないと言われた。
しかし母は術後、すぐに喋っていた。ただ、意識が朦朧としているらしく、
「ここはどこ?」、「なんでここにおるの?」を連呼していた。

次の日には意識ももどり、3日後には立つことも出来た。2、3日で歩くは
言い過ぎだったが、早く歩くことができるのはまんざら嘘でもなさそうである。
来週はリハビリに明け暮れることであろう。
良かった言えば良かったのだが、これからのほうが問題かもしれない。
自宅に帰ったからもう面倒を見なくても良いと言うわけにはいかない。
母に代わって掃除、洗濯、食事作りと、それからの2週間ほどのほうが
大変そうである。

はっきり言えば、僕も嫁もとっくに限界を超えている。精神的にも、
体力的にもである。しかしながら避けるわけにもゆかず、
何としても乗り切らなければならない。
これから訪れる過酷な日々を出来るだけ考えないようにしている
僕たちである。

今週は『ワンダーウーマン』。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』でも登場していたキャラ。
今回は単独主役版。やっぱりおっさんヒーローより若い女性ヒーローだよな。
主演のワンダーウーマンはガル・ガドット。またこれが中東系の美人なんだなぁ。
もうこれだけでどんなに駄作でも50点だ。で、総合評価は65点。
これだと内容は15点になってしまう。

正直だるい部分が多い。前半のアマゾネス島のところも目立つアクション
もなく終わる。ロンドンに行ってからも、とても地味なシーンが続く。
お約束ぽくて嫌がる人もいるだろうが、ワンダーウーマンの異文化ギャップを
面白おかしく描いてほしかったかな。
戦争シーンになってワンダーウーマンのアクションが炸裂!きたきたー!と
喜んでいると、またいきなり大人しいシーンにもどった。
結果、アクションシーンは全体の3割程度だった。
敵役、デヴィッド・シューリスとの対決も光線爆発で終わり。
できればワンダーパーンチ!!で倒してほしかった。

再度言うが、ガル・ガドットのコスプレは最高である。
何作でも『ワンダーウーマン』シリーズを観たいと思う。でも、もっと
アクションが見たい。それがダメなら色っぽいシーンが見たい。
ね、そうでしょ。男性諸君。

もう劇場公開はほとんど終わっているが、もうすぐブルーレイが発売されるので
観てください。ガル・ガドットはとても素敵だから。

以上店長でした。


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