2017年04月の日記
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●2017年04月27日(木)
神戸の新開地にパン屋さんがある。名前は大和屋ベーカリー。
昔からあるパン屋さんで、調べてみると昭和24年創業らしい。
このパン屋さん、なかなか個性的である。

まず営業時間。基本的には午前7時から午後11時らしい。
でも夜の午前0時ごろに前を通ると開いていたことがあった。
これが三宮あたりならば夜遅くまで開いているのも頷ける。
しかし、ここは新開地。競艇の場外舟券場が終わった後、
人通りはガラガラである。
何軒かの居酒屋、牛丼屋、ラーメン屋ぐらいしか開いていない大通りに
ぽつんと明かりが灯り、パンを売っている。需要はあるのか?
と思うが、そういう僕も午後11時ごろに買いに行ったことがある。

休みも謎である。ほぼ毎日開いている。が、たまに夜中に
パンが食べたくなって買いに行くと閉まっている。
近くにコンビニは沢山あるので、代わりにコンビニで買えば良いのだが
大和屋が閉まっていると、その日のパンはあきらめて帰る。
何故だろう?

じゃあむちゃくちゃ美味しいかと言えばそうでもない。
まずくはないが、絶賛するほどうまいパンではない。
普通である。
パン激戦区である神戸には日本でも有名な美味しいパン屋が沢山ある。
その中であって普通とは・・・。
フランクロールが売っている。棒付きフランクフルトの
周りをパンが覆っている良く見るあのパン、パン部分にはマヨネーズ
と緑のものと言えば皆さんはパセリを想像するだろう。
でも大和屋の緑と言えば青のりである。食べると少し磯の香りがする。
クリーム類はバタークリームの応用しかない。何故なら冷蔵ケースがないからだ。
だからサンドイッチは売っていない。でもタマゴロールや焼きそばパンは売っている。
ショーケースの上に直置きである。焼きそばパンには赤いウィンナーが乗っている。

最近は娘さんがパンを作ることがあるようでクロワッサンにクッキクリームなんても
作っている。少しおしゃれなパンも増えた。
でも僕はあのレトロな袋に入ったあんパン、ジャムパン、しろパン
が好きだ。時々、青のりの付いたフランクロールやポテトサラダが入ったサラダフライ
を買う。そこには確実に昭和がある。どんなにおしゃれなパンを作っても
大和屋の味は昭和だ。それも昭和30〜40年代ぐらいの。
もし懐かしい味が食べたくなったら、ぜひ神戸の新開地にある大和屋に行ってみて下さい。
ひとくち食べると、あの給食のコッペパンを思わせるほど普通に昭和な味だから。

今週は『T2 トレインスポッティング』。
20年前に上映された『トレインスポッティング』の続編。
1作目はカルトな人気のある映画である。
監督もキャストも20年前と同じ。

当時、劇場で観た1作目の印象は汚いトイレと薬物中毒の映画と言うものだった。
今回、続編を見るにあたって20年ぶりに1作目を観た。これが前回観たときより面白い!
ユアンも若い!音楽も最高だ!小さなさびれた街の若者の堕落ぶりが
スタイリッシュに描かれている。(スタイリッシュってなんだ?)

20年後、1作目のラストで麻薬を売った金を一人占めにして逃亡したレントンが、
エディンバラに帰って来るところから始まる。
ユアン・マクレガーは20年経ってもかっこいい。シック・ボーイことサイモン
(ジョニー・リー・ミラー)は髪の毛が薄くはなったが面影はある。
スパッド(ユエン・ブレムナー)なんてまったく変わっていない。
一番、違ったのはベグビー(ロバート・カーライル)かな。白髪が印象的だった。
それでも年をとった4人がちっちい街で、ちっちゃい事件を起こすところは
やはり『トレインスポッティング』だ。年を取った分、哀愁が漂う内容になり、
なんとなく泣けてくる。監督のダニー・ボイルがワイドスクリーンではなく、
ビスタサイズで撮っているいるところも泣けた。同じみの曲がなかなか流れず、
最後に流れると足でリズムをとってしまった。この時点で僕はドハマりである。

子供のころの4人の思い出、20年前のあの頃、今の現実がクロスオーバーし、
とても良い作品に仕上がっている。ぜひ見てください。そして1作目を
もう一度観てから観に行って下さい。きっと泣けてくるはずです。

トレインスポティングの意味も映画を観ているとわかります。

以上、店長でした。

●2017年04月14日(金)
嫁の父(僕にとっては義理の父)が肺がんの手術で入院した。
父は74歳。以前、膀胱がんの手術でも入院したのだが、今回は転移と言うわけでも
なかった。
左肺に腫瘍があるらしいのだが、取ってみなければ、良性か悪性か
分らないと医者は言う。もし良性ならば手術をする必要はないが、
悪性ならば放っておくと3〜5年で死ぬと言われた。これだけは取ってみなければわからないらしい。
そうなると賭け的なものも出てくる。悪性ならば手術をして良かったと言えるのだが、
もし良性ならば高齢の父にとって手術はかなりの負担である。悪くないのに
左肺を3分の1切りとらなければならない。当然、術後は呼吸機能も衰える。

家族でもいろいろ相談したが最終的には父が判断し、手術をすることになった。
入院する3日前に嫁の実家へ行き、家族全員の前で父がみんなに遺言状のようなものを
コピーして渡した。嫁は顔を背けて泣いていた。嫁の弟はセカンドオピニオンを勧めたが、
そうなると手術の日も伸びる。父はそれを嫌った。僕も父と同じ考えだった。
取ってすっきりしたい、もし自分が同じ立場ならば迷わず手術をしただろう。

3日後、父は入院し、翌日手術をした。内視鏡を使い腫瘍部分を切除する。
入院部屋(個室)から手術室まで父は歩いて行った。父は「それじゃぁ。」と
後ろで見送る僕達に一声かけて入室した。

手術は3〜5時間の予定。手術中は家族控え室で待つ。僕達が控え室に行くと多くの
人がいた。この人たちの身内も手術中なのだと思うと少し連帯感が生まれる。

長時間そこの場所にいると話し声からそれぞれの事情が推測できる。
ご夫婦で座っているところは30歳代の息子さんが手術のようだ。息子さんはまだ結婚をされていないのだろう。
2人はあまり喋らず、静かに本を読んでいる。
その奥で男女4人がこの場所には似つかわしくないほどの大声で喋っている。
くだらない話を大きな声で喋っているところを見ていると、あまり手術中の人を気にしているようには思えない。
嫁の母は大きな喋り声が癇に障ったらしく、父の病室で暫く過ごすと言って出て行ってしまった。
子供連れの家族はテレビの前のソファで寝転がっている。
子供にとってはチャンネルを変えることが出来ないテレビは不満らしく、途中から携帯ゲームで
遊び始めた。おばあちゃんの手術は長引くようだ。

交代で休憩をとって5時間が過ぎた。その間、何組かは手術が終わり、呼び出しを受けていた。
あれだけ沢山の人がいた控え室は今、僕達を含めて3組ほどになっていた。
あの似つかわしくない男女4人も1時間前にいなくなった。母も静かになったので、
控え室に戻り、雑誌を買って読んでいる。
もう終わっても良い時間だと思うと少し不安になる。
さらに3時間が過ぎた頃、ようやく執刀医がやってくる。無事、手術は終わったとのこと、
一同ほっとする。全員で別室に行き、説明を聞く。手術が長引いた理由は肺があばら骨に癒着していたため
先ずそれを剥がさなければならなかったかららしい。剥がすのに2時間以上かかり、切除をした肺腫瘍は
やはりがん細胞だったそうだ。切りとった部分を見せてくれる。娘は見ないように目をつぶって顔を背けている。
僕と弟と母は小さなバケツに入ったレバーのよなものを覗き込んで見せてもらった。がんの部分って黒ではなく白い。
なかなか珍しいものだったので触りたい衝動にかられ、手を伸ばしかけて、あわてて手を引っ込めた。

ICUで会った父はかなり意識が混濁しており、僕たちがわからないようだった。
それから2日ほど痛み止めの薬の影響もあり、父はいろいろな幻覚を見たらしい。
お花畑が見えたり、テレビが大きな音でうるさかったり(ICUにはテレビはない。
心電図のモニターだけだ。)、星が夜空いっぱいに光り過ぎて目がチカチカして眠れない
(もちろんICUでは星は見えない。)などなど。
今は正常にもどったが、普段まじめで現実主義の父がそのような発言をしたので、
みんな驚いた。

その日はみんなで帰りに晩御飯を食べることになった。
びっくりドンキーでハンバーグを食べる。嫁は何故か回転ずしを勧めた。
後で聞いたら切りとられた肺の一部をチラッと見てしまったらしく、
レバーのような物体を思い出し、お肉は食べられないと思ったらしい。
でも嫁はハンバーグをきっちり食べていた。みそ汁まで追加して。

父は順調に回復している。まだ少し退院までには時間がかかりそうだが、
仕事に復帰することを目標にリハビリを続けている。
何はともあれひと安心である。

今週は『キングコング・髑髏島の巨神』。
今までのキングコング作品は美女との恋愛がつきものだった。
古くはフェイ・レイ、40年前はジェシカ・ラング、最近ではナオミ・ワッツ。
今回もヒロインはいるがコングとの恋愛話はない。素晴らしい!!
前回のナオミ・ワッツとセントラルパークでスケートをするキングコングには
げんなりしたもんな。

怪獣、スカル・クローラー対コングを見せてくれる。そこに美女はからまない。
からむのは濃いおっさん、サミュエル・L・ジャクソンだ。部下を殺されたサミュエルは
かなりコング退治に燃えていた。最後はやっぱりな結果だったが。
あとは大きな牛や蜘蛛、タコが出てくる。タコはコングの食べ物だった。踊り喰いする
コングを見ていて韓国のタコの刺身を思い出した。あれは吸盤が口じゅうにくっついて
味がわからなかったな。コングはおいしそうだった。

今回のコングは引き締まったお尻で、逆三角形な体型だった。かなり男前度の高い
コングである。だからか出演者が目立たない。
トム・ヒドルストンもジョン・グッドマンもブリー・ラーソンも頑張っているのに
添え物状態である。やはり怪獣ものでは怪獣に勝てないのか?

内容に深みはないが、くだらない導線がないがなく、
純粋に怪獣映画を観ることが出来て僕は満足である。
ぜひ観に行って下さい。

あとエンドロール後のひと映像にはぶっこけます。常連のHさんが言っていたヒントは
当てたが、まさかあれも出てくるとは・・・。次回作はあるのか?あったらとても
嬉しいのだが・・・。

以上、店長でした。


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