2015年10月の日記
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●2015年10月10日(土)
小学校の頃から映画は一人で観ていた。東映まんが祭、東宝チャンピョン祭、
もしくは大映のガメラ、妖怪大戦争、大魔神。

父は船乗り(船は大型タンカー)で1年のうち3ヶ月ほどしか家にいなかった。
母は日本舞踊のお師匠さんで毎日忙しくしていた。
だから僕は保育園の頃からカギっこだったし、小学校の頃には
一人で映画館へ行き、映画を観ていた。小学校3年生の時は、母が映画館の前まで
送ってくれ、帰りの時間になると迎えにきてくれた。小学校4年生になると
帰りは一人で帰るようになり、小学校5年になると一人で往復するようになっていた。

僕にとって映画館は、楽しい場所でありながら、一日をつぶす託児所のような
場所でもあった。今とは違って入れ替えがないので、同じアニメや怪獣たちを
何度も観て、ロビーでスマイルマークのケーキパンとモスラの幼虫のような
コルネを食べて、ファンタを飲んで、夕方になると帰宅していた。

こう書くとなんだか映画館は寂しい場所のように思えるが、さにあらず、
大きな画面で観る映画館は夢のような空間だった。ずっとここに居たかった。
なんなら泊っても良いぐらいだった。
今の映画館は清潔で、広いイスだが、昔のホコリくさい劇場の匂いや、長時間座る
と腰が痛くなる狭いイスが僕は好きだった。

僕の常連映画館は神戸の三宮ではなく、新開地。今はリバイバル上映館が3館しかないが、
40年ほど前は、神戸東映、神戸東映パラス、神戸東宝、キネマクラブ、湊川温泉劇場、
神戸松竹、神戸シネマ、聚楽館など全部で14館もあった。
僕の家からだと市バスで20分。そこは神戸一の歓楽街だった。

今、僕は新開地の近くに住んでいる。子供の頃のような活気はなく、新開地では
ほとんど映画を観なくなったが、父や母と行った洋食一平のスパゲティを時々食べに行き、
春陽軒の豚マン(昔は大きな中華料理店だったが、今は豚マンのみの小さな店になった。)
を月一で買って帰り、嫁と子供の頃には行けなかった八喜為で500円の定食を食べている。

新開地はなんだか楽しい。何がと言われれば難しいのだが、なんだかジワジワ楽しいのである。
少しデンジャラスなイメージのある街だが皆さんも一度訪れてみてください。
面白いお店を沢山紹介しますよ。

今週は『木屋町DARUMA』。
インディーズ系の映画を紹介できるなんて何年ぶりだろう。
今回は、上映館である元町映画館に主演の遠藤憲一さんや監督の榊英雄さんたちが
舞台挨拶にやって来ると聞き、これはぜひ行かなければと思っていた。
整理券をもらうため朝、嫁に並んでもらい、夕方の上映に間に合うように用事を済ませ、
映画館に駆け付けた。

よく本人に会うと、思ったより痩せているとか、背が高いとか低いとか
あるのだろうが、遠藤憲一さんは、予想通りのそのまんま遠藤さんで、
とても笑顔が素敵な役者さんだった。監督の榊さんは役者でもある。僕は
『VERSUS』からのファンだったので、遠藤さん同様、お会い出来て興奮してしまった。

映画は京都、木屋町あたりの話。組のもめごとのけじめとして両手、両足を切断されて
ダルマのような身体になった勝浦(遠藤健一)と彼の世話を任された坂本(三浦誠己)
との話を中心に、ヤクザ組織の裏稼業や、借金で堕ちてゆく人々が描かれている。

借金を返さない家に、手足のない勝浦が送り込まれる。借金を返すまで勝浦が住み込み、
嫌がらせを続ける。食事から下の世話までしろとせまる。これはかなりきつい。
ねを上げた債務者は娘を変態風俗に売ったり、耳に穴をあけられ、
障害補償を受け取るように指示されたり、聴覚障害者を相手のマルチ商法を手伝わされたりと、
地獄のような返済を強要される。この作品を観ると借金なんかしてはならないなと
今更ながら思ってしまった。

かなりヘビーな内容だったので、R18指定かな思ったのだが、映倫登録していないのか、
指定がなかった。だとすると、これって自主上映?だったらかなり豪華俳優が出演している自主上映だ。
ま、映倫なんか基準があいまいな割にはつまらない規制をするから登録しなくて良いのだが。

勝浦が四肢をなくす原因をもっと掘り下げて描いてもらえば、最後のキム兄ぃ演じる
ヤクザの親分との確執にもっと真実味があったし、武田梨奈が持っていた包丁が
長すぎないか?という疑問点はあったが、総じて、久しぶりに闇世界を描く映画を観ることが
出来、僕は満足です。残念ながら誰にでもオススメ出来ない映画ですが、
僕には心に残る一本となりました。機会があれば覚悟して観てください。

以上、店長でした。 

●2015年10月02日(金)
高校生の時。神戸電鉄、鈴蘭台駅のプラットホームにいた時のこと。
下りのプラットホームに電車が入ってきた。通勤、通学の満員電車のドアのところから
女性用の大きなバッグが車外に出ていた。そこには取っ手部分を握りしめた女性がいた。
当然のことだが、女性は車内。バッグだけが車外。電車はそのまま動きだした。
きっと車掌も気づいていたと思う。でも電車は満員だからドアを開けるわけにもいかない。
バッグが挟まっていたのは、進行方向の左側。電車はこれから4駅先まで右側ドアしか開かない。
湊川駅までの20分、バッグは外に出たまんまだな。電車が行ってしまってから
三田方面から来た電車に乗った女性はどこでバッグを挟んでしまったのか考えた。
おー!左側のドアが開くのは岡場駅だ。岡場駅は鈴蘭台駅から30分ほどかかる。
あの女性は50分近くバッグを車外に出したままなのだな、取っ手を握ったまま。
きっと、とても恥ずかしかったし、バッグが心配だったことだろう。
どうなったかは知らないけどね。

僕も挟んだことがある。地下鉄御堂筋線の淀屋橋駅。
急いで乗り込んだら、ネクタイだけが車外に出てしまった。
ネクタイならば引っ張れば良いと思うでしょ。でもね、ネクタイピンも車外にあったの。
買ったばかりのDAKSのおしゃれなネクタイピン。引っ張るとネクタイピンは確実にどこかへ消えてしまう。
仕方がないので次の駅までネクタイは挟まったままにしようと思った。
次の本町駅までの辛抱なのでバッグの女性よりましだったのだが、いかんせん、1両目に
乗っていたため、本町のプラットホームにいる人に僕のネクタイがはためいているのを
見られてしまった。当然のことだが、プラットホームの人は笑っていた。
一緒に乗っていた大学の友人たちは、一緒に笑っていた。

ま、あわてて乗り込まないほうが良いと言う話です。
それだけ。

今週は『アントマン』。
ちょっと異色なマーベル作品。
正統派なアイアンマンやキャプテン・アメリカより
ポップ(汚れ?)なヒーロー。
スーツを着るとアリのように小さくなったり、本物のアリを仲間にしたりするところは、
かなりフヵンタジー系?だからと言って、陳腐じゃないところは、
さすがはマーベル。面白く出来ている。子供も大人も楽しめる。
小さなクモみたいなイエロージャケットとの
壮絶なようで小っちゃい戦いは、今までにない描き方だ。
(おもちゃのトーマスが脱線するところなんか、けっこう笑える。)
娘のために頑張るお父さんの話であったり、オーシャンズ11みたいに
潜入して泥棒する話であったあり、バラエティに富んでいるのも良かった。
今後は、アベンジャーズたちに繋げるのだろうから、シールドやヒドラの話も出てくるし、
ファルコンも出ている。(もちろんスタン・リーも出ている。)
だからエンドロールが終わるまで絶対に帰らないように。
最後にオォ!!と言いたいのならね。
今週はみんなにおすすめです。

以上、店長でした。


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