2009年06月の日記
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●2009年06月28日(日)
昨日は、高校の教師をしていた時の元教え子に、結婚披露パーティーのお誘いを受け、嫁と娘を連れて参加した。

彼女は、演劇部の顧問をしていた時の生徒で、卒業してからも、「みんなで集まるから、来ませんか?」とよく誘ってくれる。
僕も、教え子たちの近況が知りたいので、出来る限り参加し、良いことも、悪いことも聞かされたりしている。

思えば、地震のあった年から演劇部を指導していたので、演劇部の生徒たちとは15年以上の付き合いである。

昨日、結婚パーティーをしたMさんは、お世辞にも勉強の出来る子ではなかった。クラス、いや学年で下から数えたほうが早いくらいの成績だった。でも、それには理由がある。

小学生の低学年だった頃に、母親が家を出、以来、彼女は残された父親と妹の中で、主婦をしなければならなくなった。
もちろん、お父さんも一生懸命、家事をしてくれたと思う。でも、仕事をして生計をたてなければならない身には限界がある。それを彼女は幼いながらにカバーしなければならなかったそうである。

家の用事が生活の中心となった彼女は、勉強がおろそかになり、遅れてゆく学業を教えてくれる教師もなく、高校生になった。

だから、勉強はダメだった。
でも、社会的常識や家事全般は、自然と身に付いていったからなのか、高校生とは思えない気の使い方をする時があった。

演劇部が、神戸市の大会で、最優秀賞をとり、姫路の県大会に参加したときのことである。帰りに顧問たる僕は、ここまで頑張った部員達に何かごちそうしてやろうと思い、コンビニへみんなを連れて行った。
他の部員たちが、何をおごってもらおうかとはしゃいでいる時、彼女はみんなを集め、相談したかと思うと、僕に、「先生、これ買って。」と言ってガムをひとつ差し出した。僕が、「いや、みんな、他に何か買ってもいいんやぞ。」と言うと、彼女は「先生、お給料前でお金ないねんやろ。私ら、ガムをみんなでわけるから、これだけ買ってください。」と言った。
僕は、高校生のくせに、何を大人みたいなことを言っているのだ、と思った。が、確かに当時は講師で、お給料も安いし、遠征費は自腹だったので、財布の中身はかなりきつい状態だった。
僕は、ガムを一つ買ってあげ、みんなは嬉しそうに1枚ずつ分け合った。それに文句をいう生徒は誰もいなかった。部長である彼女が、みんなを説得してくれていたからだろう。

教師の価値とは何だろうと思うときがある。先生と呼ばれて何十年も経てば、教え子は何千人、いや定年まで務めれば何万人かもしれない。その中で、何人が教師のことを覚えていてくれて、教師に連絡を取って、会いたいと思ってくれるだろう。

たとえ本当に会えなくても、会いたいと思ってくれる生徒達がいれば、それが教師の価値ではないかと僕は思う。

「中学校3年の国語の先生は誰だったけ?」、ではやはり寂しいし、僕の友人のように「俺は二度と、この高校に近づくことはない。先生には恨みはあっても、感謝はない。」と教師の存在自体を否定されるのは、さらにつらい。

最近の頼りない教師を見るにつけ、僕は子供たちを安心して預けられる教師が、どれだけいるのだろうかと悲観的に思ってしまう。
教師は勉強を教えるのが仕事だが、それに加えて、これから大人になってゆく人間を教えているということを、今の職業教師たちは理解しているのだろうか?現役の教師諸君、周りのPTAや上司の間違った考えに流されない、強い意志の中であなたがたには教師をしてもらいたい。あなたがたは、生徒にとって唯一無二の先生なのだから。


ま、僕の場合は「授業もせずに、無駄話ばかりをしていた変なオッサン」だったので印象に残っている可能性も高いのだが。

結婚パーティーは、小規模ながらも和やかで楽しいものだった。おとなしそうな新郎と明るくておおらかな新婦。
娘も、初めてのパーティーに、はしゃいでいる。嫁も、家に遊びに来たり、みんなで食事に行ったりし、彼女のことを良く知っているので、一生懸命お祝いメッセージを書いている。
部員だった仲間達も嬉しくて泣いている。
新婦のヘアメイクを担当したのが、同じ演劇部の後輩で、今は美容師として修行中の生徒だとTさんだと聞いていた。僕は新婦のかわいいヘアメイクを見て美容師の端くれになった生徒に久しぶりに「よく出来ました」をあげた。

なんだか誰もが幸せな夜だった。

今週は『ターミネーター4』。
『ターミネーター』ファンの中では、『ターミネーター3』は(ひどい出来だったため?)なかったことになっている。では、『2』からの続きだと考えるべきなのかな。ま、僕的には、T−Xのクリスタナ・ローケンがステキだったので、60点といったところなのだが。
今回の監督は『チャーリーズ・エンジェル』のマックG。派手な感じは得意かもしれないが、ターミネーターの重厚感には、どうだろうと思いながら観に行った。

で、感想の一発目は「『トランスフォーマー』とかぶっとるやないかい!」であった。
『ターミネーター』なのに巨大ロボは出てくるし、バイクはトランスフォームするし、未来の世界を描くには、Tー600や800だけでは物足りなかったのだろうか?
ジョン・コナー役のクリスチャン・ベールは主役だが、あまり出てこず、どちらかと言えばマーカス・ライト役のサム・ワーシントンのほうが活躍していたんじゃないかな?
なんだかガッツンとくる恐怖感がないのは、やはりシュワルツェネッガーのT−800がいないからかな。思えば、ターミネーター、イコール、シュワルツェネッガーのイメージが強すぎて、4では、誰も存在感が感じられないものな。駄作と言われる『ターミネーター3』でさえも、シュワルツェネッガーの存在感とT−Xとのねちっこいほどの戦いシーンで持っていたようなところがあるものな。

でも、悪くはないよ。面白いことは面白い。完結せずに続きそうな結末に文句をいう人もいたらしいが、僕はあの終わり方で、続編がなくてもOKだ。ファーストシーンのテーマ曲にはしびれたし、マニア向けなディティールもちょこちょこあったりする。
CGではあるが、少しシュワちゃんも出てくるしね。

『ターミネーター』ファンは是非、観ておくべきだし、そうでない人も、充分娯楽作品として楽しめます。大画面の劇場で観て下さい。

以上、店長でした。


●2009年06月13日(土)
先週は僕らの劇団『よりみち』の第2回公演だった。
最初は、せつないラブストーリーを作るつもりだったのだが、気付けばショートコントになっていた。上演時間も70分ほどに短縮され、新型インフルエンザが影響して、お客様がいらっしゃらないかもしれないと、かなり心配していた。ガラガラの席で、少ないながらも一生懸命練習したお芝居を演じるのは辛いものなぁ。

ところが「ガラガラは辛いので、見に来てくれ!」と、出来る限り声をかけたらなんと満員になってしまい、用意した席をさらに追加することになってしまった。

しかも、これが評判良かったりすると、こんな安直な作り方で良いのか?と考え込んでしまいそうになる。
脚本担当で役者のケルビーノ君ならば、「いやー、僕の演技は完璧でしたからね。」と言いそうだが、「君の演技は、ひつこい時があるので、直すように。」と演出の僕からダメ出しをしておこう。

お芝居の中で、豚マンについて議論する箇所がある。え?豚マンって?それ、肉マンのこと?と言っている人、関西では豚マンです!!
最初は、どこの豚マンがおいしいかという話から始まる。関西ローカルな、551の蓬莱や一貫楼や神戸南京街の老祥記が好きだの、ミスタードーナッツが良いだの、はてはセンタン(これを知っている人は40歳オーバーです。)だのと言い争う。

次に何をつけて食べるかでもめるのだが、これは僕が大学の時に論争したことがネタになっている。(論争などと大したものではないのだが。)

カラシ以外はつけないという方も多いだろう。でも、あえてつけるとすれば、皆さんは何ですか?
醤油?酢醤油?ウスターソース?トンカツソース?

大学生にもなって、
「酢はおかしい!あっさり醤油でないと!」、「いやいや豚マンは中華なのだから酢醤油でないと!老祥記は酢醤油だし!」、「トンカツはしつこい、のどにからむ!ウスターでないと!」、「何を言う!あのフルーティーなトンカツソースこそ、中の具に合うのだ!」とそれぞれの主張というか、味覚で1時間以上話したのだった。

ちなみに我が家はトンカツソースである。僕は上記の4つ調味料は何をつけてもおいしいと思うのだが、子供の頃から豚マンにはトンカツソースをつけていたので、それが習慣になっている。

TVの「秘密のケンミンSHOW」を見ていると、それぞれの地方にしかない食べ物、食べ方には驚かされるが、それが昔からの習慣ならば、否定すること事態ナンセンスであり、僕は、一度その土地へ行って、その食べ物を食べてみたいと思うものね。

あと、トコロテンに何をかけるかでも、もめたな。大阪は圧倒的に黒蜜で、神戸は三杯酢だった。「トコロテンが甘いなんて、信じられへん!」「酸っぱいトコロテンなんか食われへん!」「おやつやないねんから!」「おかずやないねんから!」・・・。

うーん、冷静に第三者的に見れば、どっちでも良いことに思えてきた。みなさんも、お友達と話してみてください。案外、その家独特のものを見つけることができて楽しいですよ。

ちなみにお芝居では、豚マンにジャムを塗るという人が現れて、試食するシーンがあります。

今週は2本!
まずは『スター・トレック』。
僕はトレッキー(初期スタートレックのファンをこう呼ぶ。)ではないが、子供の頃、『宇宙大作戦(スタートレックの日本語題)』は良く観ていた。なので、多少の知識はある。

今回の監督であるJ.J.エイブラムスはトレッキーでもなく、あまりTVの『スタートレック』は観ていなかったらしい。役者陣もほとんど観ていなかったらしく、スポック役のザッカリー・クイントなんか、『スタートレック』が始まるとチャンネルを変えていたらしい。
そんな基礎知識のない連中で大丈夫か?トレッキーは厳しいぞ!
と思って観たら、これがよく出来ていた。
確かに今までの『スタートレック』とは違い、スピーディーで、アクション満載である。カークなんか雪の中、怪獣と追いかけっこするし、子供の頃のカーク登場シーンはビースティー・ボーイズの音楽だもんな。

それに加えて、きっちりトレッキーにしかわからないポイント(コバヤシマルテストやウフーラのファーストネームなど)も押さえている。これは台本の段階で、有名なトレッキー3人がサポートしてストーリーを作り上げたかららしい。そのことが良かったのかファンの人もファンでない人も納得させ、良いバランスの中でヒットしている。

クルーをも外されていたカークが、いきなり艦長になるところは、突っ込みそうになったが、ま、それは時間内のご愛嬌にしておこう。レナード・ニモイのスポックもゲストどころではないほど意外と出ているので、トレッキー感涙ものだな。

カーク役、クリス・パインもスポック役、ザッカリー・クイントも若くて未熟なところがなかなか好演だったしね。
『スタートレック』お得意の別世界のスタートレックストーリーは、続編も観たい!と思わせるオススメ映画です。

続いて『ROOKIES・卒業』。
TVで御馴染みの、イケメン不良の野球スポ根ものの劇場版である。僕は原作者、森田まさのりの「ろくでなしBLUES」の大ファンなので、こちらの原作は読んでいないがTV版『ROOKIES』は毎週観ていた。

クサイ話なのだが泣けるストーリーと阪神タイガースの選手と同じ名前の人物設定がおもしろく、毎週楽しみにしていた。TV版は3年生になった野球部員のところで終わったので、最後の夏を目指すニコガク(二子玉川学園高校の略称)野球部を劇場で観ることが出来るのはかなり楽しみであった。

劇場版も定石を踏まえ、クサイが泣ける話に出来上がっている。
ちょっと長すぎる感もあるが、最後のニコガクメンバーを沢山観たい人のためにはしかたないか。

試合で、そんなにバントばっかりしてたら、普通は相手チームに読まれるやろ、と突っ込んでしまいそうになったが、細かいディティールなんか関係ない、イケメン俳優達が、かっこ良く、泣かせてくれればOKな映画である。

赤星役、山本裕典君や濱中役、石田卓也君といった次世代メンバーもかっこよく描けており、イケメン好きな女子は、始終ウルウルできること間違いなし!

男前たちが泥まみれになるところを是非、劇場で観てください。

以上、店長でした。



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