2007年03月の日記
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●2007年03月25日(日)
今週は4本も映画を観た!・・・と言っても2本立てを2回行っただけなのでたいしたことはないのだが。

一日はリバイバル館。ここには中学生の頃(もう30年も前)から通っている。当時はオーナーが違っていたからか、今のような素晴らしいチョイスではなく、もうB級中のB級、C級もあったかな、くだらない映画の2本立てだった。初めて観た2本はトビー・フーバーの『悪魔の沼』と『バギー・チェイス』。『悪魔の沼』は今ではカルトな1本になっているらしいが、みなさん『バギー・チェイス』って知ってます?

学生は入場料が500円だったので、友人のM君は親から散髪代1000円(神戸の中学生は当時、丸坊主だった。その時の散髪代は1000円。)をもらい、380円の格安な散髪屋で、顔そりの時、ニキビを潰され、顔中血まみれになりながら頭を刈ってもらい、残りのお金で飲み物を買い、劇場に通っていた。

僕はといえば、昼飯に母からもらうパン代300円で200円分のパンを買い、少しづつ貯めて行っていた。育ち盛りの僕にとってお腹が空くより、映画が観に行けるほうが魅力的だった。

その日の仕事にあぶれたおっさんの休憩場所(たいがい座席3つ使って寝ていたな。)だった映画館は、ある時期より女性も入りやすい劇場に変わった。(前は女性は一人もいなかった。)そして誰もが観たくなるチョイスの2本立てになり、今では意外と人が入る映画館として有名になる。それが神戸のパル・シネマという劇場だ。

今回は『キンキーブーツ』と『レント』の2本立て。ね、良いでしょ。『悪魔のなんちゃら』という題名も忘れてしまうような映画とは違います。あれはあれで、少し懐かしいですが・・・。

『キンキーブーツ』はドラッグ・クイーンのショー、『レント』は本格ミュージカルと大きな違いはあるが、2本ともおもしろかった。

『キンキーブーツ』は女の子が赤いヒールを履いて踊るシーンが印象的で、踊り終わった子の頭を小突きながら父親が「このバカ息子が。」というシーンで始まる。倒産寸前の靴工場を父から受け継いだ息子チャーリーとドラッグクイーンのローズとの関係があやふやだけどクールで非常に良い。間に描かれる恋愛話ははっきりいって邪魔だが、全体的には楽しいオススメ映画です。

逆に『レント』は完成度が高いので、音楽、ダンスには文句ない。特にエンジェルが女装のサンタで歌うシーンなど最高だ。ただ、ミュージカル慣れしていない人には前半は少し疲れるかな。実際、僕も観ながら少しトーンダウンした。後半は泣かせます。

『キンキーブーツ』はローズが歌う「イエス・サー・アイ・キャン・ブギ」が懐かしくて唄ってしまいそうになり、『レント』の「シーズン・オブ・ラブ」は観終わったあとじんわり心にしみてきた。

1回観ては追い出されるシネコンとは違い、非常に気持ちの良い時間が過ごせて幸せだった。この後、夕方からは娘の誕生日のためいろんな所へ引きずり回されたが。

もう一日は子供ための子供の映画『ラブandベリー』と『ムシキング』。お店の定休日と映画の初日が重なったので、僕は初回上映1時間前にチケット交換をし、嫁が娘を20分前に劇場へ連れてくるというまさしく娘のための完璧な体制で臨んだ映画は・・・正直眠たかった。

『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』のように内容を語れるものではなく、ただ単に子供向けな、たわいもない話だった。

こまったのは2本立てと言うことである。女の子である娘は『ラブandベリー』だけ観たいのに、最初に『ムシキング』を50分上映してから『ラブandベリー』上映となるため、この時間我慢しなければならないのだ。娘はムシが怖いらしく、ほとんど目をつぶっていた。じゃあ、この時間は劇場を出ていれば良いじゃないかと言われるかもしれないが、立ち見の人が多くいるのに席に荷物を置いて出て行くには気がひけてしまい、結局両方とも観ることになってしまった。娘は2時間弱も劇場に座っていたので、少し疲れたようだった。

でも、映画が終わって「おもしろかった!」と喜ぶ娘を観て、次は何を観に行こうか?と考える父であった。親バカ。

最初の2本はオススメです。
後の2本は子供がいる方かカードゲームが好きな人が行ってください。

以上、店長でした。

●2007年03月11日(日)
異端児と呼ばれる監督は何人かいる。その中でも三池崇史はかなりファンキーな監督だ。

僕が三池作品に出会ったのはVシネマの『デッド・オア・アライブ、犯罪者』。当時、低予算で中途半端な作品が多いと思っていた僕はVシネを好んで観なかった。たまたまTVで深夜、放映されていたのを何気なく、寝転んで観ていた。

哀川翔は一世風靡セピアの一員で長渕剛の弟分、竹内力は『101回目のプロポーズ』で存在が薄い2枚目しか思っていなかった僕はこの作品以降、2人の大ファンになる。それからは三池作品以外でもかなり2人の作品を観た。もう、僕の中では「翔さん」、「力さん」と呼ぶほど大好きな日本人俳優になっていた。

そのきっかけを作った作品が『デッド・オア・アライブ』である。よくある刑事とヤクザの対決ストーリーとして観ていた僕はラストのバカさにド肝を抜かれた。こんなに意外性を感じたラストは初めてだったかもしれない。

とにかく三池作品の作り方は粗い。細かな伏線はあることはあるのだが、そんなことは関係なく、一気に突っ走るような作品が三池映画である。『牛頭(ごず)』は海外で評価されたらしいが、三池初心者が見ると怒りそうな出来である。意味がさっぱりわからない。この映画のラストも「何じゃ、そりゃ!」と絶対に言ってしまうはずだ。

そんな三池作品が僕は大好きなのだ。つじつまの合わない展開もおかまいなし、ストーリーも強引に進める。ラストなんか観客置いてけぼりなんて言うのも当たり前。なのに、なんだろこの楽しさは。そう、彼の作品には一貫してスピード感がある。それは静かなシーンでもだ。きっと頭でなく皮膚で感じる映画なのだ、三池作品は。


彼のファンは俳優さん達にも多く、エンケンさんこと、遠藤憲一さんは、三池映画にどうしても出たくて、「僕も、あなたの作品に出演させて下さい。」と言うつもりが会った時、興奮のあまり、「テメェ、三池!俺を出しやがれ!」と叫んでしまったそうだ。

そんな三池崇史の新作が『龍が如く』。もう、これは観にいかなければ!『妖怪大戦争』で少し気持ちが萎えていたので、得意のバイオレンスものをどう描くか楽しみにしていた。

もうこれが、三池映画全開だった。主役の桐生(北村一輝)がパンチを出すと炎が出るし、刺されてもゾンビのように生き返る真島(岸谷五朗)の「キリュウちゃ〜ん。」と言う呼びかけ、遠藤憲一さんのわけわからない銀行強盗や荒川良々のドMの武器屋、韓国人のかっこいいスナイパーなど個性満載のキャラ、全てが大雑把で、暑苦しく、そして素晴らしいB級ストーリーは僕を満足させた。

今回もラストの観客を置いてけぼりにするストーリーに、観終わった人から「え〜!これで終わり〜?」という声があがっていた。
でも、それではまだ素人わくだぜ。三池玄人は、「おー、真島のキャラと今西、川西はインパクトあったなぁ。さずがエンケンさんだなぁ。」と言うはずである。それが後になってじわじわ沸いて気持ちがいい。

同名のゲームがベースなので、最強アイテムのドリンクのことが分からなかったが、大爆笑する高校生にはかなりツボだったのだろうな。

好き嫌いはあるかもしれません。ストーリー重視の人向きではないでしょう。でも、三池作品に馴染んでしまうと、楽しくてしかたがない1本です。

以上、店長でした。





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