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●2007年02月18日(日)
最近の映画を観ると必ずある『海賊版撲滅キャンペーン』の告知。僕もこのキャンペーンには基本的に賛同している。映画を愛する僕は映画を汚す行為を良しとは思わない。 ただこれは購入する人のモラルの問題だけであって、実質上は僕に被害があるわけでもなく、買っている人がダメだとは思わない。僕は映画館で観る映画が大好きで、気に入った作品は正規のDVDで、綺麗な画像でしか観ないというだけである。だから映画関係者が不利益になる行為を見つけて捕まえるなり、訴えれば良いことであって、僕らにそういう行為を発見したら報告しろだの、無償で手伝わせようとすることには少し納得いかない。報告して捕まえたら無料で1本映画を観せてくれるのならば報告しよう。でないと報告は増えないと思うが。 この間、お客様に海賊版DVDを好んで買う人の話を聞いた。その話はかなりおもしろかったので少し書いてみたい。 関西で海賊版を売っているところは電機の街、日本橋(にっぽんばし)だそうで、以前はもう10メートルごとの辻で堂々と販売していたそうである。今は規制が厳しくなったため、一つの通りに5、6人だそうである。 海賊版を作っている所は何件かあるらしいが、日本橋で販売している時は皆で協力しているらしい。販売している場所の両端に携帯を持ったみはりがおり、取締りの警官が来ると携帯で販売員に連絡、報告を受けた販売員は車に商品を投げ入れて一旦逃げたり、慣れた人になるとスーツケース一つにさっと詰め込み、何もなかったように移動する。 海賊版は劇場上映よりいかに早く販売するかが売れゆきにかかわる。早い作品などは日本公開の4ヶ月ほど前のものあるらしい。ちなみにそのお客さんは公開される前の『DOA デッド・オア・アライブ』や『ロッキー・ファイナル』を持っていた。 海賊版DVDの画像入手には大きく分けて2種類ある。 1つは、映画関係者や、パソコンよりマスターな画像を入手する方法。映画は宣伝が大事なのでなマスコミ関係者用にDVDが作られているらしい。例えば『スマ、ステ』での月いちゴローの映画コーナーなんかはこれだ。稲垣吾郎君が一気に映画を5本も映画館や試写室へ行って観ることは不可能である。ではどうして観ているのか。これがマスコミ用DVDで、今上映されている、またはこれから上映される映画をDVDで観てもらい、宣伝、評価してもらっている。この画像は販売用より落ちるらしいが、かなり良いらしい。そのDVDがなんらかの形で、海賊版業者に渡り、それをコピーするのだ。これはかなり質が高いらしいが、100種に1,2種しか出てこないらしい。このようなDVDは海外からの流出ものある。松浦アヤヤの『スケ番刑事』は中国語の字幕が付いていたらしい。公開前の入手だったらしいが、どうもカンヌなどの映画祭でプロモ用に配ったDVDが流出したらしい。 もう1つは古典的な方法で、ビデオ撮影機を直接劇場に持ち込み、撮影する。日本人は欧米人に比べ映画を観ながら大声で笑ったり、拍手をすることがないので意外と撮りやすいそうである。 当然、画像はあまり良くない。下手するとタイトル文字が4分の1切れていたりする。ひどい時などは映画上映中に急に45度傾き、何分か続いたかと思うと、今度は下を向いて撮影いている人の足が何分か写っていたそうである。映画は『日本沈没』だったそうである。 日本映画はマスコミ用のDVDが流出することが少ないらしく、ほとんどが映画館撮影で、そのため公開初日に撮影、次の日にコピー、3日目に販売となるそうである。 ひどい画像には文句は出ないのかという疑問にその人は、「基本的に粗悪な商品だった場合は交換OKなんですが、同じ人が次の日売っているとも限りませんからね。購入者側もある程度の画像が悪いことを理解しているし、自分も後ろめたいところがあるので、クレームはほとんどないらしいです。それに暴力団がらみに可能性もあるしね。」とのことだった。 1枚1000円で常連の間では5枚買うと1枚タダになるそうだ。 一番ひどかったのは『ザスーラ』のDVDで、始まったと思ったらいきなり画像が止まった。何度かけてもそこで止まる。おかしいと思って裏を見たら、録画の溝が1ミリほどしかなかったらしい。 海外から入手した映画にはもちろん字幕はない。字幕は専門の翻訳家がいてパソコンで入力する。おもしろいのが、後ろめたい行為をしているのに、これだけの映画を翻訳したことを誇示したいからか、最後に必ず翻訳者の名前を入れる。もちろんペンネームなのだが、『●●とその仲間たち』というものが多い。何人かの協力訳なのだろう。ある映画で『志村けん』というペンネームがあったそうだ。それを見た時は、借りた人同士で映画よりペンネームで盛り上がったそうだ。(もちろん偽名です。) もっといろいろ聞いたのだが、今回はこの辺で。もし機会があれば続きを書く。 今週は『DOA デッド・オア・アライブ』。海賊版DVDでも綺麗な画像だった映画である。(僕は映画館で観た!) もう予想通りB級の娯楽映画だった。いきなりオープニングが日本。石狩山脈と言う文字。そこには忍者の城があり、忍者の里のプリンセスがデボン青木、その女王を守る忍者がケイン・コスギ。もう設定がむちゃくちゃ。 ある島で行われる試合『デッド・オア・アライブ』に参加するため、プロレスラーや泥棒など腕に覚えのある格闘家が集まる。『生か死か』なんてタイトルがついていながら、試合では誰も死なない。ただの格闘トーナメント。この試合も陰謀がらみなのだが、その内容もしょぼい。でも、日本人好みのセクシー美女たちが満載で、アクションを見せてくれる。それで良いのだ、この手の映画は。 そういう意味では、デボン青木もジェイミー・プレスリー、ホリー・ヴァランス、サラ・カーターは日本人好みのセクシーで美人で、強いので観ていても楽しかった。 上映時間も84分と短く、退屈せずに観ることができた。心が疲れている男性諸君は何も考えずバカ映画だと思ってみれば結構楽しめます。 以上、店長でした。
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