2004年11月の日記
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●2004年11月27日(土)
邦画で『さらば映画の友よ』という映画があった。主演は川谷拓三だった。川谷さんの役は映画が好きで好きでたまらない男で、映画館も前から5列目の端の席は自分の席と決めている。こんな人だから映画館でマナーの悪い人がいると、もう許せない。そのマナーの悪い人のところへ行って、「兄ちゃん、もっと好かれる映画の見かたをしようや。」と注意しに行く。当然、ケンカにもなるのだが、自分が気持ち良く映画が見れるためならばどんなことでもしそうな、そんな男だった。

僕はこの映画好きの男に尊敬の気持ちをいだいていた。映画館でマナーが悪い人がいると、もう許せない僕は彼の行動に心の中で始終拍手を送っていた。

この間、『2046』を観に行った時のことである。劇場はガラガラだったので後ろから2列目の真ん中という僕が最もお気に入りの席をキープ出来、気持ち良く映画の上映を待っていた。
するとおばさん2人と小学生ぐらいの子供が僕の前の席に座った。あれ、『2046』ってR指定じゃなかったっけ?と思いながらいよいよ映画が始まった。
映画を見た人はわかると思うが、トニー・レオンかチャン・ツイィのファンでなければ見れたものではない映画だ。2時間20分はかなり眠いストーリーである。
当然、子供には何がなんだかわからない。退屈そうにジュースをすすり、カップの中が空になると映画中だというのに外に出て、ドリンクバーへお替りに行く。それを映画の間、4回は繰り返した。おい、ぼうず。おまえ、腹チャポチャポになるぞ。と思ってしまい、3回目のお替りから気になってしかたなくなった。
でも、大の大人がたかが、子供のことでは怒れない。これは、我慢しようと思った。

問題は、そのチャポチャポガキの保護者であるオバはん2人である。映画中だと言うのに小声で時々話しやがりだしたのである。もう、始まって5分でイライラしだした。僕も大人なので一言、二言ならば怒れない。でも、そのオバはんは一時間以上も話し、一人のオバはんなんか携帯がバイブしたか知らないが、上映中だというのに電話片手に外へ出ようとした。そんでもって、ドアの辺りから話し始めるので声が館内に響いているではないか。
うぅぅぅ・・・。押さえろ、押さえろと言う気持ちとは逆の気持ちが爆発した!オバはんらが話し始めた瞬間、僕はオバはんの座っているシートの後ろをおもいっきり蹴っていた!
オバはんは驚いたようにこっちを向き、残り1時間20分は固まったように見ていた。

みなさん、僕は間違っているでしょうか?大人げないでしょうか?少し、嫌な気分になりました。

映画はもう、眠い映画で『花様年華』の続き的映画だった。キムタクもそんなに出てこないし、チャン・チェンにいたっては出てたのか?と思えるほどだった。期待してただけにガッカリな大作だった。
香港映画にはがんばってもらいたいのになぁ〜。


●2004年11月21日(日)
行ってきました。ディズニーランド。大変でした。疲労だらけの2日間でした。もう、当分は行きたくないと思っていましたが、ミッキーさんを見て積極的に話しかけたり、我が家に帰りついたとたん、「ディズニーランドにいきたいのー!」と泣き崩れる娘を見ると、「又連れて行ったらなあかんなぁ。」と思う父でした。詳しくは、又の機会にお話します。

今回は『オールド・ボーイ』。なんと評価して良いのか・・・難しい映画です。
普通のおっさんが理由もなくいきなり誘拐され、15年間知らない所で監禁される。部屋にはTVもあるし、食事も運ばれてくるし、催眠ガスで眠らされている間に部屋も掃除してくれるし、散髪もしてくれる。
でも、どうして監禁されているのかわからない。

TVでは奥さんが殺害され、自分が犯人にされている。つらくて何度も自殺を図ろうとするが、また催眠ガスで眠らされ手当てされて部屋に戻される。

こんな状況で映画は始まります。15年目に壁に穴を開けてやっと脱走できると思ったら又、催眠ガスで眠らされ、いきなり大きなトランクに入れられ釈放される。そこから、この男の謎探しが始まります。

で、どう評価して良いのかわからないと書いたのは、ラストがあまりにもあと味の悪いという理由です。なんとも言えない嫌ーなラストです。救いがない。(あれを救いがあると思うのは独身か子供のいない夫婦だ。)少なくとも僕は娘とは絶対に見にいきたくない。この映画が
R-15指定なのは残虐なシーンもあるが、一番の理由はモラル的に子供にみせたくないからだと僕は思います。

どんな、ラストかお話はできませんが、かなりきつい終わりかたです。
ただ、こんな映画なのに僕の頭からそれぞれのシーンが2,3日頭から抜けませんでした。こんなに印象に残った映画も久しぶりです。僕にとって衝撃度は大きかった一本です。

映画好きの人にはお勧めですが、家族、特に娘をお持ちのお父さんは覚悟して見てください。

最後に主役のオ・デス(シュリで北朝鮮の工作員のリーダーをしていたチェ・ミンシク)が漫才師、笑い飯の片方に見えたのは僕だけでしょうか?
以上、店長でした。


●2004年11月11日(木)
僕も以前、演劇人の1人だった。正確にいえば裏方さんだった。裏方さんとはスタッフのことで、僕は照明の勉強をしていたのである。勉強は30才を過ぎてから2年間舞台技術学校へ通い、その後、何年間かは教師をしながら週末や夏休みなどになると仲間と一緒に小さな舞台のお手伝いをしていた。プロの技術スタッフを雇うとべらぼうに高いため、セミプロ程度の腕前の僕らは結構重宝がられ、サイドビジネスとしてはそこそこ稼げたりもしていた。

だから、お芝居も良く見に行った。僕が25、6才の頃だったろうか、関西初お目見えの劇団が神戸のオリエンタル劇場に来ると言うのでS君と見に行くことにした。その劇団の作家が書いた「12人の優しい日本人」という映画を見てかなり面白かったからだ。劇団の名前は東京サンシャインボーイズ、作家は三谷幸喜だった。三谷幸喜の作品で有名なのはTVの「警部補・古畑任三郎」や「新撰組」であるが、僕ら芝居好きには東京サンシャインボーイズの方が有名である。

芝居は「なにもそこまで」という題で非常に面白く、以降、この劇団が関西に来るたびに見に行った。「罠」という作品を最後に今は長期充電中であるが、サンシャインボーイズの劇団の人が出るお芝居や三谷幸喜が作るお芝居は、その後も良く見に言った。

『笑いの大学』もその一つで、お芝居では西村雅彦(古畑の今泉君)と近藤芳正(けっこう脇役で出ている。)が演じていた。当時、演劇好きの人には好評で、チケットもなかなか取れない芝居だった。

その『笑いの大学』が映画になったということなので見に行かなければ!といざ、劇場へ。

今回は役所広司が笑いを排除する検閲官役、稲垣吾郎が劇団の座付き作家役で出ている。これが、おもしろい映画に出来ているんだ!これは監督、星護の力量だろうな。だいたい、三谷幸喜が監督するとあまりおもしろくない。脚本家としてはバツグンの才能なのだが・・・。

話の中心は二人の劇団の新作脚本を上映できるか、できないかの攻防なのだが、役所の演技のうまさと、稲垣のあまりうまくない演技がうまくマッチして笑えて、最後にホロリとする秀作になっている。是非、見に行ってください。おすすめです。



●2004年11月07日(日)
友人のT君が「おいしいラーメン屋を見つけました!!」と教えてくれた。おお!そうか!おいしいラーメン屋か。僕はラーメンとカレーに目がない。新しい店がオープンすると必ず行ってみる。そのおいしいラーメン屋のラーメンは、何でも化学調味料をいっさい使わず、自然のカツオや野菜でスープの旨味を出すそうである。おいしいラーメンと聞いて早速行こうと思ったのだが、なんと平日は午後3時半に閉店するらしくなかなか行けずにいた。

やっと行く機会があり、いさんで店に入って目に入ったのは一枚の張り紙、「長年自然のおいしさにこだわり、皆様にご愛顧いただきましたが、思うようなスープを作るのが困難になったため11月1日を持って閉店いたします。申し訳ございません。」ギョエー!なんと言うこだわりだ。納得できるスープができないから店をやめるのか!頑固一徹!信念の店だ!店が閉まる前に行けて良かった。いや、おいしいラーメンだったら、まさしく幻のラーメンになってしまうじゃないか!これは困った。と、とにかく一杯いただくことにした。

で、思ったことは・・・別に閉店しても良し!

・・・え?あーいや、まずくはない。たしかに自然の旨味からとったスープだ。身体にも良さそうだ。でも、なんだろう?パンチがない。あっさりラーメンすぎる。チャーシューまでもあっさりだ。僕にとってラーメンは寒い夜にこの一杯を食べると元気が出て、家に帰るまでラーメンの味が残るほど個性のキツイものなのだ。擁護するわけじゃないが、数日後、嫁がここのラーメンをどうしても食べたいと言うので、気乗りはしなかったが連れていくと、「おいしい!」と喜んでいた。彼女は、基本的にはあっさりしたラーメンが好きで、口に脂っこさが残るのがあまり好きではないらしい。でも、僕はやはり個性のきついラーメンが好きなのである。

今回の映画につながるが、ジョニー・デップもラーメンでいえば個性がきついとんこつスープだと思う。(ならばブラッド・ピットはみそラーメンで、キアヌ・リーブスがしょうゆラーメンかな?)デップのスープはおいしいから良い麺である作品や具である共演者に恵まれていれば当然、最高のラーメンになる。でも、基本であるスープが個性的でうまいので麺が普通でも、ショボイ具役者でも、けっこうおいしいのである。

『シークレット・ウィンドウ』は、まさしくデップスープでけっこうおいしくなったラーメンだと思う。映画の内容ははっきり言ってカスだ。
共演者もたいしたことはない。でも、個性のかたまりジョニー・デップにより、最後まであきさせず見せてくれるのだ。改めてデップの役者としての凄さを感じた1本だった。もし、主役がデップでなければ、100%失敗映画だっただろうな。

これは、ファンでなくてもデップの演技のすばらしさを楽しめる一本です。

次回は『笑いの大学』です。以上、店長でした。


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